ごみの最終処分場は無くなってしまうのか

これまで見てきたように、家庭から出された分別ゴミは焼却処理されたり埋め立てられたりして処分されます。これ以上再利用できないゴミや、ゴミを燃やした後の灰は最終処分場に送られ、埋め立てられます。
リサイクルが進んだことにより、埋め立てられるゴミは減ってきています。ですが、環境省によるとあと10年ほどで最終処分場は満杯になってしまうそうです。

10年といえば本当にあっという間ですね。昨今、大地震が度々発生していることから、がれきなどの大きなゴミが大量に運び込まれる可能性も今後高まるのではないでしょうか。また、東京オリンピックが開かれる2020年にはゴミの量は確実に例年よりも増えることが予想されます。そうしたら10年どころか、もっと短い期間で最終処分場が使えなくなってしまう可能性もあります。

最終処分場のある場所は山、海、平地、水面など様々ですが、一番多いのは山間部です。つまり、山を切り崩して最終処分場を作っている訳です。これからもゴミを埋め立てるために山を切り崩していったら、自然破壊につながってしまいます。
また、土壌が汚染される懸念もあり、環境にも悪影響を与えかねません。また、最終処分場がない市町村の数は平成21年度で343あります。全体の市町村の19パーセントに上っています。

これらの市町村では民間の業者にお願いしてゴミを処分してもらっています。各地の最終処分場がどんどん満杯になりつつあるということは、当然のことながら一人一人がその処分場を使える容量も減っているということになります。
平成12年度には一人当たり1.3立方メートルでしたが、平成21年度には0.9立方メートルに減ってしまっています。

平成21年度の環境省のデータによると、県別では宮城県は2.5立方メートル、東京都と石川県は2.0立方メートルですが、山梨県はほぼゼロ、埼玉県、大阪府、徳島県では0.1立方メートルとなっています。
また、茨城県、栃木県、千葉県、神奈川県など、関東地方の多くの県で0.5立方メートルを下回っています。最終処分場が無くなってしまうという現実が、刻一刻と近づいているといえるのではないでしょうか。